わたしは、自分がマヌケ磁石を持っているんじゃないかと思っています。
マヌケな事柄やマヌケ好き、またはマヌケそのものが、わたしの周りにジワジワと集まりがちなのです。 それは、わたしが、ちょっとマヌケだからかもしれません。でもおどろくほどのマヌケではありません。凡人の範疇です。もっとずばぬけてマヌケなら話も面白いでしょうに。なんかね、もう、本当に恥ずかしいことですね。申し訳ない。 その凡人の恥ずかしさの隙間からするっとわたしの手元にやってくる事柄や人なんかがあって、それがもう立派にマヌケというかヌケサクというかそういうものなわけです。そういうものを吸い寄せてしまう、マヌケ磁石をわたしは持っているような気がいたします。 ある日、新聞の折り込みを見ていたら、ニギニギしい黄色い紙にキンアカの印刷で「仏壇ア●ム」というのを発見しました。
たしかに母音の流れが「仏壇」はU・U・A・Nで、「鉄腕」はE・U・A・N、これだけ似てりゃ後ろに「ア●ム」としたくなるのは当然かもしれません。いままで誰も気が付かなかったか、気が付いていてもやりにくかったか、まあそこのところは定かではないですが、ほっほーこれはこれは。わたしはシゲシゲとチラシを眺めちょっと興奮したもんです。 これは、大事にとっておきましょう。 そして本当に大事にスケッチブックに挟んでしまっておいたのです。
それから1カ月ほどのち、すずきさんの車に乗せていただいて、のちに「うっかりした庭(馬鹿の庭)」と勝手に命名してしまうことになるお庭に向かっているときのことです。
「あっここですここです、いいでしょ、ふふふふ」
「・・・マヌケ磁石・・・」シミジミと思った次第です。 マヌケ磁石を持つわたしと、うっかりした庭(馬鹿の庭)のすずきさん。
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