「えーおおたきさん、飲めないのー？そうは見えないけどねえ」

どう見えてるんでしょうか。
1升2升はアタリマエの大ウワバミに見えるんだろうか。
そう見える根拠はどこに？
わかりません。
 

わたしは運動がからきしです。
マラソンとか個人の耐久系は案外いいですが、球技は一切いけません。基本的に運動というものの無理なかんじや精神性が嫌いなので、暇の時でもひとりぽつねんと坐って自分の世界の中で時間をすごします。

「ええっ！いがーい。そうは見えないけどねぇ」

どう見えてるんでしょうか。
暇さえ有ればテニスにサーフィン、水泳にスキーと活動的なわたしがこの人の中に居るんでしょうか。
わかりません。
 

わたしは偏食です。
形のあるたまねぎ、葱、バター、牛乳、肉の脂、にんじん、生クリーム。なるべくなら食べたくないものはけっこう多いです。

「へーぇそうなの？そうは見えないよー」

どう見えてるんでしょうか。
なんでもヴァリヴァリ噛みしめてすくすく育ってきた。そういうふうに感じられるのでしょうかね。
わかりません。
 

わたしは英語がからきしです。小学生のとき外国の人に道を訊かれて動転して以来、頭がさっぱり英語をうけつけません。

「あら、そうなの？そうは見えないわあ。ペラペラ喋りそう」

どう見えてるんでしょうか。
ジャックやボブなんていうナイスなお友達がいてアメリカンジョークのひとつも小粋にひねったりするインターナショナルプレイガールにでも見えるのかしら。アーハーン？
アイドントノーっす。
 
 

まあわたしは酒が強くて活発で好き嫌いのない英語の堪能な女に見えているらしいと、そういうことのようです。

うーん。
なんか、まぶしい自分がいます。わたしは案外、健全な印象なのですなあ。
（だから道を訊かれてしまうのかな？）

うーん。
うーんとしか言いようがないのでした。まあ、ありがたいことです。