OHTAKI'S MODERN CARTOON

それでもまだ引っ越し前。の巻

マー引っ越しをしようとしてるわけですが、みんなにあれほど「らくらくパックにしな」と薦められたのに、些細な差額をケチる気持ちと、ついでにアレコレ処分したいという欲望と、知らない人になんもかんも任せたらとんでもないものが出てきたときにハヅカシイという見栄が合体して自分で荷造りをすることにしてしまいました。

イヤー、大失敗ですな。

まだ引っ越し当日には数日あるもののすでにくたくたです。
なにしろね、イチからジューまで自分の過去です。自分のアレコレをスミからスミまで検分しては箱に詰めて捨てて。箱に詰めて捨てて。箱に詰めて捨てて。
消耗します。
自分当たり。オエ。

それでも実はもう8割が箱に入ってしまいました。もちろんわたしの力ではないです。引っ越しのバイト経験者というハタチの才気闊達な娘さんが2人、手伝いにきてくれて、恐ろしいほどの有能さでテキパキと荷造りをしてくれたのです。

ほんとすごいんだこのふたりが。
頼りになる。ココロ強い。生きるのに向いている。そんなことを考えました。

そしてわたしは、本当にたまげました。なんというか、自分の無能さに。
娘さんAがテキパキと不要な雑誌を括っているとき、わたしはぐずぐずと吉川ひなのの表紙のセブンティーンを丸のママ残すかひなのページのみをファイリングするかで迷っていました。
娘さんBがCDに積もった埃をキリキリ拭いてくれているとき、わたしは、いま平山みき「鬼が島」を箱に入れたら引っ越す数日の間に聞きたくなったとき困っちゃうからこっちに出しておこうとかしょうもないことを考えていました。

そしてふたりに「さっオオタキさん次は何詰める?」と言われては「んーとんーと」と考え込んで「じゃっこっちのコレやっちゃいませんか?」とナビゲートされたりしていたのです。

なんちゅうか。こんなオトナでごめん。

わたしは、若い頃からひとりで絵ばっか描いてきて、あんまり人に揉まれたことがないです。甘やかされてんの。でももう38です。気が付いたら役立たずのオトナになってしまいました。
どうしたもんですかなあ。

そんな話をしんみりと編集のフルイチさんにしたらいつもの明るい声で
「いやあ、役割ってもんがありますから。いつまでも役立たずなオトナでいてくださいよ」と励ましてもらいました。微妙。
 

tulipa@mamioh.com *MAMI OHTAKI*

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