OHTAKI'S MODERN CARTOON

ありふれたホーミーの巻

ホーミーができるようになりました。

ホーミーご存じですか。わたしはどんなにすきなものでも詳しくなるということがないので、ろくな説明はできないのですが、喉歌といいますか、喉の奥の方と舌を使って低い音と高い音(倍音)を一緒に出す歌唱法です。
この高音が風のような不思議な音でして、低いほうはこれまた見たこともない動物の鳴き声のようで、ふたつが合わさるとまた不可思議な響きなのですね。とても人の口から流れ出てくる音とは思えないです。

無理矢理、文字にすると濁り気味の「ゥィ〜」プラス「ピョ〜」という笛の音のようなものです。やっぱりなんのことかわからんでしょうが。まあいつか聴く機会があったときに「あ、こういうことか」と思って頂ければサイワイです。

長年、ホーミーのCDを聞いてはモンゴルの草原に思いを馳せたりしておりましたけど、自分でやれるようになるのかな?とか考えたこともなく、しぜん試してもみませんでした。まあ、やれるようになりたいと思ってなかったんでしょうな。

ところが先日ひょっこりとホーミー法が丁寧に紹介されている文章を発見いたしました。(注*興味のあるひとはオノオノ自分で探すように。)
いままで想像もできなかったホーミー中の口内。ちょっと興奮です。さっそくやってみたら、あらフシギ簡単にホーミーが。
なんてね、そんなうまい話はないんですが、ああ、こういうことかという手がかりのようなものは見えたんで、なんとなく日々の時間のなかで繰り返しトライしたわけです。わたしはこういうひとりでやれることには熱心ですから。

そのうち舌の位置によっては低いほうの音がコレハ!というかんじで格別に響く瞬間があるのを発見しました。まだまだ倍音はでてませんが、こうなると実に面白い。倍音めざして、こうかな?こうかな?舌を緩めたり緊張させたり喉を締めたり吐く息を調節したり、まあオノレの人体には遠慮要らずですから工夫しがいがあるのです。ひねもす「ゥィ〜」「ゥィ〜」。猫が嫌がってしょうがなかったですが、まあそんなこと気にするわたしじゃないです、もうヒトリゴトのように「ゥィ〜」、ベッドで「ゥィ〜」、寝起きに「ゥィ〜」、思いついたら「ゥィ〜」料理をしながら「ゥィ〜」、仕事しながら「ゥィ〜」、お風呂で「ゥィ〜」、トイレで「ゥィ〜」、散歩中ヒトケの無い裏道で「ゥィ〜」。
2日目にしてすでに習慣の気配がしてきました。

3日目の夜中のこと。
メールをチェックしながら「ゥィ〜」とやっていたら(習慣ですから)どこからともなく笛の音が聞こえる。お祭りのお囃子かと思って耳をすますと静かな夜の音しかしないんですね。考えたら深夜にお囃子ってのも変です。幻聴かな?「ゥィ〜」するとまた笛が。

おおおお!?

もしやこれはわたしの口内で鳴っているのでは。ああっ誰かに聞いて貰って確認してえ。でも、いくらなんでも夜中に電話口で覚え立てのホーミーをやって「ねっ倍音でてる?」とは言いにくいもんです。もんもんと過ごす夜長。いてもたってもいられなくて、やっぱり「ゥィ〜」。

どうやら倍音は本当に鳴り始めたようです。かすかな倍音を得たわたしは、お気に入りの歌をうるさくくちずさむように「ゥィ〜」とやっています。
なんたって習慣なんで。倍音も「ヒョロロロ〜」とよたよた付いてきます。
猫ももうあきらめたようです。習慣は、しょうがないのです。

tulipa@mamioh.com *MAMI OHTAKI*

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