最近町中で郵便局が売店を出しているでしょう。
切手好きなんで、たいてい覗きますが、見ているといろんな人がそれぞれの趣味でそれぞれの買いかたをしていくのが面白いです。
おじいちゃんが「この国宝シリーズ1枚ずつ」とかね。1シートじゃないの。1枚。局員さんがせっせと1枚ずつ切り離してました。
先日もそういう売店を覗いていたら、どこぞのおばちゃんが
「この、ふみの日のやつまだある?」と ブルーナの50円切手見本を指さしましたんですよ。
すると郵便局員さんが言うんです。
「あるんですけど、もうクマの列しか残ってないんです」
ブルーナのふみの日切手(50円)は右から
●こどもと封筒 ●鉛筆に坐る熊 ●ペンをもつ眼鏡の娘 ●封筒から飛び出すピエロ、
という絵柄になっているんですが(下図)、どうやらこれのクマだけが列単位で残っているというんですよ。
クマ列だけが残る?ということは、「眼鏡1列ちょうだい」とか「ピエロ2列ね」とか
、そういう買い方をする人がいるということなんでしょうか。 へー。
へー、としか言いようがないんですが、クマのなにがいけないんでしょうかねえ。「ホラ」と残ったクマ切手を示す郵便局員さんの手元を見ると、それがまた驚いたことに、1列2列の問題じゃないんです。けっこうな量です。
こうなると「眼鏡と子供2列ずつね」という買い方というより
「クマ以外ちょうだい」という買い方をしたひとがけっこう居るとしか思えません。いったいクマがなにをしたというんだろう。
件のおばちゃんも「じゃあいいわ」と買わずに立ち去りました。 やっぱりおばちゃんも、クマじゃ気に入らないんですね。
おお、クマよ、可哀想な、人気のない、売れ残りの黄色いクマよ。パバロッティみたいに歌いたいところです。
局員さんがクマ切手を切手引き出しの中に仕舞います。せまい切手引き出しの中にちんまりと、クマがタテに1列5匹の列を作ったまま
、何本も、封筒に貼られる日を待っているかと思うとなんだか。
そして、クマ切手が残っているのはあの郵便局だけなんでしょうか。
全国的にクマ不買運動が起きているとしたら。どうしよう。くまった。すいません。べつにそれを言いたかったわけでは無いんですが。
こういう絵柄です。たしかにクマはやや地味。
本物を載せるわけにもいかないので、ブルーナ先生の絵を真似て描きました。
おそれおおい。すみません。
|