ひさびさに野毛山動物園に行ってきました。
桜木町にある横浜市営の動物園です。入場無料。イイネ!
のどかですてきな場所です。
くじゃくが放し飼いになっていてときどき突拍子もない声で鳴きます。
横浜らしくいろんな国籍のおかあさんたちがいろんな国籍の子供を遊ばせている。いろんな言語の子供の嬌声がアカザルやチンパンジーの雄叫びとごっちゃになって鼓膜をゆさぶる。大きな木陰が至る所にあり、見上げた梢のむこうにはまぼろしのようにランドマークタワーが見える。
ちょっとしたエアポケット。いいもんです。
でも、気になることが。
なんだか、みんな、動物が、としより。
もちろん動物園らしくライオンも虎もきりんもいます。
でもみんなちょっとづつトシヨリ。
そして動物が減ってる。
たのしみにしていたばくは同じ横浜市の動物園・ズーラシアに移されてしまっていました。
一昨年、象のはまこが老衰で死んでしまって、新しい象が来ることもないまま象舎はつぶされ、広場になっていました。動物園において象はいつだってまんまんなかの一番いいところに居るものです。妙にからっぽになってしまった一等地はせつなさもひとしおです。
らくだの「つがる」はすごい年寄りで坐ったきり、床ずれができています。主のいない白熊の檻は解放されてコンクリート製の白熊が置いて有ります。これはこれでおもしろいですが、すべてこれにするわけにもいかないでしょう。
昭和26年に出来たこの古い動物園はズーラシアが出来たときに前の市長が潰そうとしたらしいです。市民運動で助かりました。でもめぼしい動物は新しい動物園に移されてしまいました。
そしていま象が死んでも、ここには新しい象を入れてもらえません。今居る動物はどんどん年をとっていきます。伴侶を添わせて二世を望むのも難しくなっていくでしょう。
もちろんはまこ・つがるの長寿ぶりを見ても飼育係の人が大切に面倒をみてくれているのがよくわかるし(はまこは享年59才。日本で2番の長生き象)、親に噛まれて前片脚を失ったジャガーも元気にしている。
どの檻も古くはあるけど清潔に保たれている。
でも時間は経つ。
こうやって動物が次々に老いては死んで、からっぽになっていくのでしょうか。
門からすぐのところにはレッサーパンダがいます。カラスにむしられてしょぼしょぼ尻尾のモモタロウがしごく当たり前のことのように立ち上がってくれました。見物人は赤ん坊を入れて12人。嬌声わきかえる千葉とはえらいちがいです。ひかえめなどよめきをよそに頭上から野鳥の声がふりそそいで、16時半。老動物たちが静かに暮らす野毛山動物園の閉園の時間でした。
彼らの夜は長い。 |