ヨコハマに引っ越してきてもう1年半です。
いろんな発見がありました。 発見ができるのは異邦人でいられるうちです。どんなにヘンテコなことだって、どんなにキテレツなものだって、それが日常であれば、それは発見にはなかなか繋がりません。 ひとはそれをアタリマエだと思ってしまう。 (でもまあアタリマエのことなんかそうそうありはしないとわたしは思うのですが、なんだって「アタリマエじゃん!」という理由で解決するのが好きなひとは多いような気がします。) まあそれはさておいて。 発見のなかでも興味深いのは食生活です。 なにしろ面白いのは肉屋です。
しかしです。なにより衝撃なのは、挽肉の脂肪率です。
一年前まで暮らしていた目黒区界隈じゃ赤身挽肉ったらもうね、脂肪なんかチラとしか入ってなかったですから。イマドキ脂のある肉なんか流行んないザマス、っちゅーか、肥満を気にする昨今の食文化に於いては脂身の多い肉なんか食ってるバヤイじゃないといいたげな赤肉のタタズマイ。 ただヨコハマっていう場所は常に思い出の町ですから。
思うに、肉に対する姿勢までが昔のままなんじゃないかと。つまり、肉っていうのはご馳走で、それはなんでかっていうと肉の旨みは脂にあり、脂あってこその肉、ということなんじゃないでしょうかね。 わたしの推理が正しいかどうかはわかりませんが、ヨコハマの老舗洋食屋は全体に脂こいです。それはバタ(あえて音引きは無しで)や肉こそがハイカラな御ご馳走だった頃の名残なんではないかと、思ったりしています。 どうです、発見でしょう。
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