OHTAKI'S MODERN CARTOON

シワスーなら手を叩こ2002(あるいは中華街叉焼大作戦)の巻

わたしのだいすきな大晦日がやってきます。
さあ、お正月の準備だ。
実を言うとことしは、クリスマス前からもうお節のことでこころがいっぱいで、正直クリスマスはちょっとなげやりなくらいでした。やっぱトシヨリだからですかね。クリスマスのわくわくは、「待ち」のわくわくで、受け身のヨロコビじゃないでしょうか。ところがもう40ですかんね。そうそう待ってるわけにもいきません。どうしても攻めの体勢になる。ターキー焼いてブッシュドノエルこしらえてという手もありますが、生憎、ライフスタイル的に無理がありますし。

一方、お正月の準備はとことん「攻め」のわくわくです。お節はどういう内容にするか、お鏡を何寸にしてどこで買うか、いつ黒豆を煮るか、蒲鉾はどこのにするか、もう攻めて攻めて攻めて攻めて、ってかんじ。

というわけで中華街にお正月用の叉焼を買いにでかけました。
わたしの大好きな赤くて香ばしい有昌の叉焼。いつもおばちゃんが手頃なのを選んでくれます。ことしのお節には絶対加えなくては!
実は昨日も行ったのですが夕方近かったのでもう完売でした。
でも今日はまだお昼前ですから。

どひー。

並んでました。うーむ。
負けるもんか。わたしも並びます。
「申し訳ないけどひょっとしたらお客さんのぶんまで無いかもしれないんです」ガッチョーーーン。お客さんというのはわたしです。お店のおばちゃんが申し訳なさそうにわたしの前に立っています。どないしよう。
明日の朝、出直してもいいけど、なんだかそれも悔しいし、まあ面白いんでとりあえず待つことにしました。買えなかったら明日アサイチに来てやるっ。

どうです、攻めてるでしょう。

20人くらい30分並んでましたが、なにしろ列がちっとも動かない。なんでかっていうと、焼けるのを待ってるんですね。
なんでも一回に24本しか焼けないんだそうです。窯も休めなくちゃいけないし、他にもアヒルとか腸詰めを焼いたりしなくちゃいけないし、もう不眠不休で3日くらい仕込んでは焼き仕込んでは焼きで、ついに今日は肉そのものが無くなっちゃったんだそうです。
たいへんなことになってるぞ、おい。

お店のおばちゃんが後から後から並ぼうとするひとたちにたぶん品切れになるだろうというのを説明しても、わたしのような攻めモードのご婦人やおっさんがいてジワジワと列は伸びていきます。
攻める客、応じる有昌。叉焼を巡るこの激しい攻防!いやまあ、ただ黙って並んでるだけですが。

やっと焼き上がって冷まし終えた、脂とタレでぴかぴか光ったうまそうな叉焼が次々と店頭のカギにひっかけられはじめました。列がジワジワ動きます。どきどき。ああ、やっぱりスッゲおいしそう。あのちっちゃいブロックでいいな。あっ買われた。じゃああのコゲのある香ばしそうなやつでいいや、あっなんだよおっさん3本も買うなよー。

スリリングー。
そして最後の1本。わたしの前の人です。オーノー。

ところが奥からものすごく立派な超特大叉焼がバットに入ってしずしずと出てきたのですよ。なんだかね、もう、心の中で銅鑼が鳴ったような気がしました。大きすぎてなかなか冷めなかったらしい。前の人がはんぶんこにして譲ってくれました。ウレチイ!我勝利!我叉焼入手!万歳!

お店の奥にいたおばさんに「買えたよ!」ってかんじに勇んで袋を上げてみせると、おばさんは笑ってました。
イヤーやっぱり大晦日っていうのは実にいいですね。
 

tulipa@mamioh.com *MAMI OHTAKI*

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